「そろそろ介護サービスを使いたいけれど、何から始めればいいの?」
親の様子が気になりはじめたとき、多くの方がはじめて「要介護認定」という言葉に出会います。申請の手順や必要な書類、認定までにかかる時間など、わからないことが多くて不安になるのは当然です。
この記事では、要介護認定の基本的な仕組みから、申請の流れ・必要書類・認定区分まで、はじめての方でもスムーズに理解できるよう順を追って解説します。
要介護認定とは
要介護認定とは、介護保険サービスを利用するために必要な「どの程度の介護が必要か」を公的に判定する手続きです。市区町村の窓口に申請し、訪問調査・医師の意見書・審査会による判定を経て、「要支援1〜2」または「要介護1〜5」のいずれかに認定されます。認定を受けることで、費用の1〜3割の自己負担で介護保険サービスを利用できるようになります。
「まだ早いかな」と感じていても、手続きには一定の時間がかかるため、必要を感じたら早めに動き出すことをおすすめします。早めに申請しておくことで、いざというときにスムーズにサービスへつなげることができます。
申請の流れ
要介護認定の申請から結果通知まで、原則として30日以内が目安です。以下の6つのステップで進みます。
① 申請窓口に相談・申請
まずは、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口、または地域包括支援センターに申請します。申請できるのは本人や家族だけでなく、ケアマネジャーや指定の事業者に代行してもらうことも可能です。
「どこに相談すればいいかわからない」という方は、まず地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。介護に関するあらゆる相談を無料で受け付けており、申請の手続きもサポートしてもらえます。
② 認定調査(訪問調査)
申請後、市区町村の調査員が自宅や入院先を訪問し、心身の状態について調査を行います。調査項目は全国共通の基準による74項目で、「身体機能・起居動作」「日常生活の動作」「認知機能」「精神・行動の状態」「社会生活への適応」の5つの分野に分かれています。
調査当日は、普段の生活の様子をできるだけ正確に伝えることが大切です。「いいところを見せようと頑張ってしまう」と、実態より軽い判定が出てしまうこともあります。普段できないこと、介助が必要なことを具体的に伝えるようにしましょう。
③ 主治医意見書の作成
市区町村からかかりつけ医に対して、意見書の作成が依頼されます。申請者が直接依頼する必要はありません。かかりつけ医がいない場合は、市区町村が指定する医師の診察を受ける必要があります。
④ 一次判定(コンピュータ判定)
訪問調査の74項目の結果をもとに、コンピュータが「要介護認定等基準時間」を算出し、要介護度の一次判定を行います。これはあくまで機械的な計算による暫定の結果であり、次の二次判定で最終決定されます。
⑤ 二次判定(介護認定審査会)
医療・保健・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が、一次判定の結果と主治医意見書をもとに、最終的な要介護度を判定します。一次判定の結果より重くなったり、軽くなったりすることもあります。
⑥ 認定結果の通知
申請から原則30日以内に、認定結果が郵送で通知されます。認定結果に不服がある場合は、結果通知の翌日から3か月以内に、都道府県の「介護保険審査会」に審査請求することができます。また、状態が大きく変化した場合は「区分変更申請」も可能です。
認定後はケアマネジャーに相談しながらケアプランを作成し、介護保険サービスの利用を開始します。
申請に必要な書類
申請時に必要な書類は以下のとおりです。自治体によって一部異なる場合があるため、事前に窓口へ確認することをおすすめします。
- 介護保険被保険者証(65歳以上の方。新規申請で未交付の場合は不要)
- 医療保険の資格確認書類(40〜64歳の方。資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータル画面のいずれか)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類の組み合わせ。通知カードは住民票の情報と一致している場合のみ有効)
- 本人確認書類(写真付き1点、または写真なし2点)
印鑑については、多くの自治体で不要となっています。ただし自治体によって異なるため、事前に窓口へ確認してください。
認定区分と利用できるサービス
認定区分によって、利用できる介護保険サービスの種類と月額の支給限度額が異なります。
要支援1・2は、現在は概ね自立しているものの、将来の要介護状態を予防するための支援が必要な状態です。介護予防サービスを利用でき、地域包括支援センターがサービス調整を担当します。
要介護1〜5は、すでに日常生活に介護が必要な状態で、数字が大きいほど重度になります。訪問介護・デイサービス・施設入居など幅広い介護サービスを利用でき、ケアマネジャーがケアプランを作成します。
支給限度額は要介護度によって異なり、たとえば要介護1では月約167,650円、要介護5では月約362,170円が上限の目安です(2024年度参考値)。この範囲内であれば、サービス費用の1〜3割の自己負担でサービスを利用できます。
まとめ
要介護認定の申請は、介護保険サービスを利用するための第一歩です。手続きの流れをあらかじめ知っておくと、いざというときに落ち着いて動けます。
「まだ早いかな」と思っていても、早めに申請・相談しておくことをおすすめします。申請方法や手続きについて不明な点は、地域包括支援センターやAIやさしい介護相談にお気軽にご相談ください。





