この記事でわかること

「深夜に母から電話があって、腰が痛くて動けないと言っている。でも、誰に連絡すればいいかわからない」

そんな経験をしたことはありませんか?

離れて暮らす親が体の不調を訴えたとき、最初に頭をよぎるのは「救急車を呼ぶべきか」「病院に連れて行くべきか」という判断の難しさではないでしょうか。

でも実は、そういうときに真っ先に動いてくれるのが、ケアマネジャー(介護支援専門員)だということを、多くの方がご存じありません。

この記事では、90歳の一人暮らしの女性と、その家族の実際の体験をもとに、ケアマネジャーがどのように動き、家族の不安をどう支えてくれたのかを、わかりやすくご紹介します。

「うちの親も似たような状況かもしれない」と感じた方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

事例紹介|林 和子さん(仮名)のケース

基本情報(すべて架空のものです)

項目内容
氏名林 和子(仮名)
年齢90歳
居住地近畿地方・一人暮らし
家族長男(遠方在住)
介護度要介護認定あり
利用サービスヘルパー派遣・デイサービス・訪問看護
ケアマネジャー居宅介護支援事業所に所属

林 和子さんは、近畿地方のマンションで一人暮らしをしている90歳の女性です。認知症の症状があり、日常生活の多くをヘルパーやデイサービスのスタッフに支えてもらいながら生活しています。

長男は遠方に暮らしており、「何かあったときにすぐに駆けつけられない」という不安を常に抱えていました。

どんな悩みを抱えていたか

「腰が痛くてトイレにも行けない」——突然の緊急事態

ある冬の夕方、ヘルパーが訪問すると、和子さんが「腰が痛くて動けない」と訴えていました。

デイサービスのスタッフに確認したところ、数日前から腰痛の訴えがあったものの、その日はお風呂にも入れていたとのこと。しかし夕方になって急激に痛みが強くなり、トイレに行こうとするたびに激痛が走る状態になっていたのです。

ヘルパーはすぐにケアマネジャーに連絡しました。

遠方の長男には連絡がつかない

同じ頃、ケアマネジャーは長男に連絡を試みましたが、なかなか電話がつながりませんでした。

「親が今どんな状態なのか」「病院に連れて行くべきか」「骨折していないか」——。

遠方に住む家族にとって、こうした状況は最も不安で、最も何もできないと感じる瞬間です。「自分がそばにいれば」「もっと頻繁に様子を見ていれば」という後悔や罪悪感が押し寄せてきます。

ケアマネジャーと一緒に解決した方法

まず訪問看護師が緊急対応

ケアマネジャーはすぐに訪問看護師に連絡を取り、その日の定期訪問のタイミングで状態確認をお願いしました。

訪問看護師の判断では、腰椎部に激しい痛みがあり、立ち上がり時に動作困難な状態。痛み止めを服用しながら様子を見ることになりました。

また、認知症の影響から「痛みを忘れてトイレに行こうとしてしまう」という危険な状態が繰り返されたため、パッドでの排泄対応に切り替え、施設スタッフが夜間の排泄介助をカバーするという体制を整えました。

翌日、整形外科への受診をコーディネート

翌朝、ケアマネジャーを通じて連絡がつながった長男は、昼前に現地へ駆けつけることができました。

長男と訪問看護師の連携のもと、和子さんはかかりつけの整形外科を受診。レントゲンの結果、骨折はなく、急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)と骨粗鬆症の影響と診断されました。

痛み止めと湿布、コルセットが処方され、着用後は痛みが和らいでいきました。

ケアマネジャーが「情報の橋渡し役」になってくれた

このとき、長男が特に助かったと感じたのは、ケアマネジャーが各関係者の間に立って情報を整理し、タイムリーに共有してくれたことでした。

  • ヘルパーから状況報告を受ける
  • 訪問看護師に緊急対応を依頼する
  • デイサービスに状況確認の連絡をする
  • 主治医に報告・往診または受診の調整を準備する
  • 長男に随時状況を報告する

これだけの動きを、ケアマネジャーが中心となって動いてくれたのです。遠方に暮らす長男一人では、どこに何を連絡すればいいかさえわからなかったでしょう。

この事例から学べる3つのポイント

① 緊急時の「最初の連絡先」はケアマネジャーでいい

「救急車を呼ぶほどではないかも…でも放っておけない」という状況は、介護の現場では頻繁に起こります。

そんなとき、まずケアマネジャーに連絡することが正解です。ケアマネジャーは医療・介護の知識を持ち、どこに連絡すべきかを判断できるプロです。「こんなことで電話していいのかな」と遠慮する必要はまったくありません。

② 離れて暮らす家族こそ、ケアマネジャーとの関係を大切に

林さんの長男のように、遠距離介護をしている方にとって、ケアマネジャーは"現地の頼れるパートナー"です。

普段から定期的な報告・連絡があることで、いざというときの連携がスムーズになります。「普段から顔が見える関係を作っておく」ことが、緊急時の安心につながります。

③ ケアマネジャーは「よろず相談窓口」でもある

腰痛のような急な体調変化だけでなく、

  • 「最近デイサービスを嫌がるようになった」
  • 「一人でお風呂に入るのが心配」
  • 「施設への入所を検討したい」
  • 「介護保険の手続きがわからない」

といった日常的な悩みすべてについて、ケアマネジャーに相談することができます。「何から聞けばいいかわからない」という状態でも、ケアマネジャーは一緒に整理してくれます。

あなたの家族も同じ悩みを抱えていませんか?

「うちの親も一人暮らしで、何かあったときが心配」
「離れて暮らしているから、いつも不安がある」
「介護保険を使っているけれど、ケアマネジャーとの連絡が少なくて不安」

そう感じている方は、決して少なくありません。

林さんの事例でお伝えしたように、ケアマネジャーは「困ったときだけ動く人」ではなく、日頃から家族の状況を把握し、先を見越して動いてくれる専門家です。

「まだ介護保険を使っていない」「どこに相談すればいいかわからない」という方も、まずは気軽に居宅介護支援事業所に相談してみることをおすすめします。相談自体は無料で、「話を聞いてもらうだけ」でも構いません。

まとめ|まず相談することが第一歩

今回ご紹介した林 和子さんのケースから、わかったことをまとめます。

  • ✓ 緊急時はまずケアマネジャーに連絡する
  • ✓ ケアマネジャーが医療・介護の関係者をつないでくれる
  • ✓ 遠距離介護でも、ケアマネジャーがいれば安心できる
  • ✓ 日常的な小さな悩みも、気軽に相談してOK

「何かあってから動く」ではなく、「何かある前に相談しておく」。それが、親と自分の両方を守ることにつながります。

親の介護のこと、一人で抱え込んでいませんか?

やさしい手の居宅介護支援事業所では、介護保険の申請方法から、サービスの選び方、緊急時の対応まで、ご家族の状況に合わせてご相談をお受けしています。

「まだ介護保険を使っていないけれど、将来が不安」という方も、「今まさに困っている」という方も、どうぞお気軽にお問い合わせください。

相談は無料です。話すだけでも、きっと気持ちが楽になります。

やさしい手に相談してみる

この記事で紹介した事例は、実際のケースをもとに個人情報を完全に匿名化・加工したものです。特定の個人・施設・地域を示すものではありません。