この記事でわかること
「親がデイサービスを嫌がるようになった」「血糖値が高いのに食事管理ができていない」「通院も服薬も、気づいたら家族任せになっていた」——そんな悩みを抱えながら、「でも誰に相談すればいいの?」と手が止まっている方は、決して少なくありません。
この記事では、80代の父親を自宅で介護する娘が、ケアマネジャーとともに課題を一つひとつ解決していった実際のケースをご紹介します。
この記事でわかること:
- 高齢者の生活課題がどのように複合的に絡み合うか
- ケアマネジャーがどんな役割を担っているか
- 家族がまず何をすべきか
事例紹介|田村良雄さん(88歳・兵庫県在住)のケース
基本情報(架空)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢・性別 | 88歳・男性 |
| 居住形態 | 一人暮らし(持ち家) |
| 要介護度 | 要支援1(認定更新後) |
| 主な病歴 | 糖尿病・高血圧・腎機能低下 |
| 家族構成 | 娘が遠方に在住(既婚・フルタイム勤務) |
| 利用サービス | デイサービス週2回→週1回に変更、福祉用具(杖) |
田村さんは、もともと自立心が強く「自分のことは自分でできる」という気持ちを大切にされている方でした。娘の桐島さん(55歳)は離れて暮らしながらも、電話で頻繁に父の様子を確認し、月に数回は顔を見せるようにしていました。
しかし、ある時から父の様子が少しずつ変わり始めました。
どんな悩みを抱えていたか|家族も気づきにくい「複合的な生活課題」
「デイが週1回になって、お父さん、つまんないって言ってるよ」
桐島さんが父に電話したある日、田村さんはぽつりとこうつぶやきました。「行き足りない、暇なんだよ」
もともと週2回利用していたデイサービスが、介護認定の変更をきっかけに週1回になっていました。本人は内心納得しながらも、日中の時間をもてあますようになり、活気が失われていくのが娘の目にもはっきりわかりました。
食事の乱れと健康数値の悪化
さらに深刻だったのが健康面です。田村さんは近くのスーパーに一人で買い物に出かけていましたが、同じカツ丼を何度も購入したり、菓子パンを重複して買ってきたりすることが増えていました。HbA1c(血糖値の指標)は9台が続き、主治医からは「このままではインスリン再導入が必要になるかもしれない」と告げられていました。
腎機能も低下傾向にあり、食事と服薬の管理は待ったなしの状況でした。
服薬管理の穴と緊急時の不安
娘が帰省するたびに気になっていたのが、薬の飲み忘れ問題です。処方通りに服薬できているかが確認しきれず、「飲んだっけ?」という状況が続いていることも明らかになってきました。
以前、田村さんがデイサービス利用中に発熱・ふらつきを起こし、急きょ娘が仕事を早退して迎えに行ったこともありました。「もし次に何か起きたとき、自分はすぐに駆けつけられるのか」という不安が、桐島さんの頭から離れませんでした。
ケアマネジャーと一緒に解決した方法|「相談してよかった」と思えた瞬間
まず「見える化」から始めた
担当ケアマネジャーの西川さん(仮名)は、毎月の訪問モニタリングを通じて田村さんの生活状況を丁寧に把握していました。娘との電話連絡も欠かさず、健康数値の変化・生活の変化を早い段階でキャッチしていました。
問題が複雑に絡み合ってきたタイミングで、西川さんが提案したのは「担当者会議の開催」でした。デイサービスの担当者、娘、本人、ケアマネジャーが一堂に集まり、現状と今後の方向性を全員で確認しました。
「暇」の問題にも向き合った
デイサービスの頻度が減ったことで生じた「暇」という問題。西川さんはここを軽視しませんでした。
役所で手に入れた地域の無料体操教室のチラシを持参し、「週2回、10時から体操できますよ」と提案。さらに地域包括支援センター(あんしんすこやかセンター)に照会し、老人クラブやグラウンドゴルフなどの地域活動情報を集めて田村さんに伝えました。
サービスだけに頼らず、地域のつながりで日中の充実を図るという発想は、桐島さんにとって目から鱗でした。
服薬・食事管理の具体的な解決策
服薬の問題に対しては、お薬カレンダーの導入を提案。娘が帰省した際にセットしておくことで、飲み忘れを防ぐ仕組みを作りました。
食事の乱れに対しては、冷凍宅食サービスの導入をサポート。最初は冷凍庫の配送トラブルがあったものの、西川さんが間に入って交換手続きを進め、スムーズに利用が始まりました。
血糖値が改善しない場合のインスリン再開に備え、西川さんは訪問看護の導入についても情報提供。費用感(週1回・月約2,000円)も含めて具体的に説明し、「もしもの時の備え」を家族と共有しました。
この事例から学べる3つのポイント
① 「ちょっとした変化」を見逃さないことが大切
「なんか最近元気ないな」「同じものを何度も買ってくる」——こうした小さなサインが、実は大きな問題の入口になっていることがあります。定期的にケアマネジャーが関わることで、家族だけでは気づきにくい変化をプロの目で拾い上げることができます。
② 「サービスを増やす」だけが解決策ではない
介護というと「サービスを追加すること」がゴールだと思いがちです。しかし田村さんのケースでは、地域の社会資源を活用して"暮らしの豊かさ"を増やすという視点が重要でした。ケアマネジャーはサービス調整だけでなく、生活全般の相談相手でもあるのです。
③ 「遠距離介護」でも、連携で安心できる体制は作れる
娘の桐島さんは離れて暮らしながらも、ケアマネジャーとの密な連絡体制があったことで、緊急時への対応やリスクの早期察知が可能になりました。遠くに住んでいるからこそ、プロへの相談と連携が不可欠です。
あなたの家族も同じ悩みを抱えていませんか?
- 「うちの父も、最近ぼーっとしている時間が増えた」
- 「薬をちゃんと飲んでいるか、心配でたまらない」
- 「食事が偏っているのはわかってるけど、どこから手をつければいいかわからない」
- 「何かあったとき、すぐに動けるか不安で夜も眠れない」
こうした悩みは、あなた一人で抱えなくていいものです。「まだ大丈夫だから」と思っているうちに相談することが、後々の大きな安心につながります。
まとめ|まず相談することが第一歩
今回ご紹介した田村さんのケースでは、生活意欲の低下・食事管理・服薬管理の課題・健康数値の悪化・遠距離介護の不安という複数の課題が同時に押し寄せていました。それでも、担当ケアマネジャーが丁寧に関わり続けることで、一つひとつ対処の糸口が見えていきました。
介護は「解決する」ものではなく、「一緒に歩み続ける」ものです。だからこそ、伴走してくれる専門家の存在が何より大切になります。
こんなお悩みがあれば、まずは一度ご相談ください
居宅介護支援事業所「やさしい手」では、ケアマネジャーへの無料相談を受け付けています。お気軽な電話やメールでのご連絡でも構いません。「まだ介護かどうかわからない」という段階でのご相談も、もちろん歓迎です。
まずは無料で相談する※本記事に登場する事例は、実際のケースをもとに個人情報を完全に匿名化・架空化したものです。特定の個人・施設・地域とは一切関係ありません。





