この記事でわかること
「病院から退院が決まったけど、家に帰ってきて本当に大丈夫なの?」「介護サービスって、どこに頼めばいいの?」——親の介護が急に始まったとき、多くの家族がこうした不安を抱えます。何をどこに相談すればいいのか、費用はどれくらいかかるのか、自分たちだけで支えられるのか——。
この記事では、要介護5の父親を在宅で支えることになった相川 敬之さん(80代・近畿地方在住)のご家族の実例をもとに、ケアマネジャーへの相談がどのように家族の介護生活を変えたかをご紹介します。
事例紹介|相川 敬之さんのケース
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢・性別 | 80代・男性 |
| 居住地 | 近畿地方の自宅(一人暮らし) |
| 要介護度 | 要介護5 |
| 主な状態 | 退院後の在宅生活、吸引が必要、座位保持に課題あり |
| 家族状況 | 妻と二人暮らし(妻が主な介護者) |
※仮名・匿名化済みです。
相川さんは、入院から退院を経て在宅生活を再スタートすることになりました。しかし、要介護5という重い介護度のなか、妻が一人で支えるには限界がありました。ご家族(お子さん)が「このままではいけない」と感じたのが、支援を求めたきっかけでした。
どんな悩みを抱えていたか
退院後の生活が想像できない
相川さんが退院するにあたって、家族が最初に感じた不安は「家に帰ってきて、本当に生活できるのか」という根本的な疑問でした。吸引が必要な状態で、家族だけで対応できるか。食事はとれるようになるか。トイレや移動は誰が、どのようにサポートするか——病院のように24時間スタッフがいるわけではありません。特に介護を担う妻にとって、身体的・精神的な負担は計り知れないものがありました。
「介護サービス」という言葉は知っていても、何をどう使えばいいかわからない
「デイサービス」「訪問看護」「ヘルパーさん」——言葉としては耳にしたことがあっても、どのサービスをいつ・どこに頼めばいいかは、家族には全くわかりませんでした。「介護保険を使えばお金が少し安くなると聞いたけど、手続きはどうするの?」「サービスを使いすぎたら限度額を超えてしまわない?」——こうした疑問が次々と湧いてきたものの、どこにも聞けずにいたのです。
妻の介護疲れが目に見えてわかった
相川さんの妻は、毎日の介護に追われるなかで疲労をため込んでいました。「夫の世話で精一杯で、自分のことまで気が回らない」という状況は、多くの介護家族に共通する悩みではないでしょうか。家族が「このままでは妻も倒れてしまう」と感じたとき、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに相談することを決めました。
ケアマネジャーと一緒に解決した方法
まず「今の状況」を丸ごと聞いてもらえた
ケアマネジャーが最初にしてくれたのは、相川さん本人と妻の話を丁寧に聞くことでした。「どんな生活をしたいか」「何が不安か」「どこまで家族がサポートできるか」——こうした思いを整理するだけで、家族は「ひとりじゃないんだ」と感じられたといいます。
デイサービスの体験利用から始めた
ケアマネジャーのサポートのもと、デイサービスの体験利用を行いました。最初は「疲れやすい」「座っているのが辛い」という状況でしたが、入浴サービスは本人にとって好評で、生活の楽しみのひとつになりました。週2回のデイサービス利用から始め、少しずつ生活のリズムを整えていきました。
デイサービスは「外出」と「入浴」と「他者との交流」という3つの役割を担います。本人の楽しみになるだけでなく、介護する家族にとっての「ひと息つける時間(レスパイト)」にもなります。
訪問看護と連携して吸引の管理を支援
相川さんに必要だった吸引のサポートについては、訪問看護のサービスと連携する形で対応しました。「家族だけでは対処できないこと」をプロに任せることで、妻の不安が大きく軽減されました。また、吸引器の継続が必要かどうかは、1ヶ月後にあらためて判断することになりました。「すべてを今すぐ決めなくていい」という柔軟な対応が、家族にとって心強かったといいます。
福祉用具・手帳の申請もケアマネジャーが一緒にサポート
身体障がい者手帳を使った福祉用具の給付申請も、ケアマネジャーが手続きの流れを丁寧に説明してくれました。「申請書の書き方がわからない」「窓口にどう行けばいいか」という疑問にも一つひとつ答えてもらい、家族は安心して手続きを進めることができました。
月1回のモニタリングで「変化」を見逃さない
担当ケアマネジャーは月に1回、自宅を訪問してモニタリング(状況確認)を実施しました。「先月と比べて体調はどうか」「サービスは計画通り使えているか」「新しい不安は出てきていないか」——こうした確認を続けることで、相川さん家族の変化に早めに気づき、対応することができました。
この事例から学べる3つのポイント
① 「何もわからない」状態でも、ケアマネジャーに相談していい
介護サービスの知識がなくても、手続きがわからなくても、ケアマネジャーはそこから一緒に考えてくれます。「こんなこと聞いていいのか」と思うような基本的な疑問も、遠慮せず相談してください。
② 介護は「家族だけで頑張らない」ことが大切
相川さんの事例でもわかるように、介護する側(妻)の負担を軽減することは、介護を長く続けるうえで非常に重要です。デイサービスや訪問サービスをうまく組み合わせることで、家族が「休む時間」を確保することが可能になります。
③ サービスは「試しながら」調整できる
「最初から完璧なプランを立てなければ」と焦る必要はありません。体験利用から始めて、状況を見ながら少しずつ調整していくことができます。介護プランは変えていいものという認識が、家族の心の余裕につながります。
あなたの家族も同じ悩みを抱えていませんか?
「うちの親も、病院から退院することになって…」「父が一人で暮らしていて、最近様子が心配で…」「介護認定を受けたばかりで、何をすればいいか全然わからない」——こうした悩みを持っていらっしゃる方は、決して少なくありません。むしろ、初めて介護に向き合う家族のほとんどが、最初は「何もわからない」状態からスタートしています。
相川さんのご家族も、最初は不安だらけでした。それでも、ケアマネジャーに相談したことで、少しずつ状況が整理され、本人も家族も安心できる生活へと変わっていきました。「もっと早く相談すればよかった」——これは、多くの介護家族が口にする言葉です。
まとめ|まず相談することが第一歩
親の介護は、突然始まることがほとんどです。完璧に準備できている家族はいません。大切なのは、一人で抱え込まず、専門家に相談することです。ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)は、介護サービスを調整するだけでなく、あなたと一緒に「どんな生活を送りたいか」を考えてくれるパートナーです。
介護のお悩み、まずはお気軽にご相談ください
私たち やさしい手 の居宅介護支援事業所では、親の介護に悩む家族のご相談を随時受け付けています。「何を聞けばいいかわからない」という方も大歓迎です。お電話・メールどちらでもお気軽にどうぞ。
まずは無料で相談する※この記事は実際の支援事例をもとに、個人情報を完全に匿名化・架空化して作成しています。特定の個人・施設とは一切関係ありません。





