この記事でわかること

「父が透析をしながら一人で暮らしている。このまま在宅で生活を続けられるのだろうか……」

そんな不安を抱えながらも、どこに相談すればいいかわからず、時間だけが過ぎていく。そういったご家族は、実は非常に多くいらっしゃいます。

この記事では、透析治療を受けながら一人暮らしを続ける80代男性とそのご家族が、ケアマネジャーと二人三脚で在宅生活を維持してきた実際の事例をもとに、

  • どんな悩みを抱えていたか
  • ケアマネジャーがどのように関わり、問題を解決していったか
  • 家族が「相談してよかった」と感じたポイント

をわかりやすくお伝えします。「うちの親も似たような状況かも」と感じた方は、ぜひ最後までお読みください。

事例紹介|橋本幸雄さん(仮名)のケース

項目内容
年齢・性別80代前半・男性
居住形態一人暮らし(首都圏)
要介護度要介護5
主な疾患慢性腎不全(週3回透析)、右半身麻痺、腰痛
家族構成長女・次女あり(別居)
利用サービス訪問介護・訪問看護・デイサービス・福祉用具貸与・訪問理美容

橋本さんは、右半身に麻痺があり車椅子で生活しながら、週3回の透析治療のために通院を続けています。娘たちは別居しており、日々の生活はヘルパーや看護師のサポートに支えられています。

担当ケアマネジャーの松田さん(仮名)は、定期的に橋本さん宅を訪問し、生活状況の変化を丁寧に確認しながら、サービスの調整を行ってきました。

どんな悩みを抱えていたか

「父がこのまま一人で暮らし続けられるか不安で……」

次女の小林さん(仮名・50代)が最初に感じた不安は、「このままで大丈夫なのか」という漠然とした恐怖でした。

父・橋本さんは週3回の透析に加え、右半身の麻痺で車椅子生活。日常的な家事や身の回りのことは自分でできず、食事・排泄・入浴・洗濯・ゴミ出しなど、すべてにサポートが必要な状態です。

特に困っていたのは以下のような点でした:

  • 入浴が長期間できていない:自宅での入浴は困難で、清潔保持が課題になっていた。
  • 透析送迎のスケジュール管理が複雑:火・木・土と週3回の送迎時間を正確に把握・管理する必要があり、本人だけでは対応が難しかった。
  • 認知面の変化への不安:透析の日程を勘違いするエピソードが発生し、娘たちはより強い不安を覚えた。
  • 施設入所を検討しているが何から手をつければいいかわからない:次女は「父の負担を減らしてあげたい」と施設入所を検討しはじめていたが、透析対応ができる施設は限られており、生活保護受給という条件も加わり、情報収集に行き詰まっていた。
「介護保険のことも、施設のことも、何もわからない状態でした。ケアマネの松田さんに話すまで、どこに相談すればいいかすら知らなかったんです」(次女・小林さん)

ケアマネジャーと一緒に解決した方法

① 入浴問題:「月1回から始める」小さな一歩

橋本さんはもともと入浴に消極的でしたが、リハビリ担当のPT(理学療法士)からも入浴の必要性を勧められていました。

松田ケアマネは、いきなり頻度を上げるのではなく、「まず月1回、デイサービスでの入浴から試してみましょう」と提案。本人の気持ちに寄り添いながら段階的にステップアップする方針をとりました。

実際に利用が始まると、橋本さんは「期待と少し違った」と感じる部分もあったようですが、その声を丁寧に受け取り、「2か月に1回ペースに調整する」「長時間座位が辛い場合は横にしてもらえるよう事業所に相談する」など、本人の体調や希望に合わせた柔軟な対応を続けました。

ポイント:「できないこと」を無理に解決しようとするのではなく、本人のペースと意思を尊重しながら、少しずつ前進する。これがケアマネジャーの真骨頂です。

② 日常生活の質を高める:訪問理美容・外出支援

橋本さんは、髪を切りに行くことも一人では難しい状況でした。

松田ケアマネは、世田谷区の訪問理美容サービス(要介護3以上、自己負担1,000円)を紹介し、初回利用時には立ち会いも行いました。定期的に散髪・髭剃りができるようになり、橋本さんの表情は明らかに明るくなったと言います。

さらに、「娘と一緒に外食したい」という橋本さんの言葉を聞いた松田ケアマネは、タクシー券を活用した外出計画を提案。介護タクシーとヘルパーの時間調整を行い、長女家族・孫たちとともに近くの寿司店へ外出することが実現しました。

「あの日の父の笑顔は今でも忘れられません」(長女・堀田さん(仮名・60代))

ポイント:「安全に生活する」だけでなく、「その人らしい喜びのある生活を送る」ことが介護の本来の目的です。

③ 施設入所の相談:情報整理と選択肢の提示

次女の小林さんが最も悩んでいたのが、「父をどこかの施設に入れるべきか」という問題でした。

透析対応が可能で、生活保護受給者を受け入れてくれる施設は非常に限られます。松田ケアマネは以下のような情報を整理してわかりやすく伝えました:

  • 特別養護老人ホームは住所地の自治体が優先されること
  • 老健(介護老人保健施設)は在宅復帰を目指す施設であり、長期入所向きではないこと
  • 施設探しは役所の窓口に直接相談するのが最も効率的なこと

また、横浜市の老健施設への入所打診があった際も、「リハビリ対応への期待とのギャップが生じる可能性」「施設の評判の見方」なども丁寧に説明し、家族が納得して判断できるよう支援しました。

「インターネットで調べてもよくわからなかったことが、ケアマネさんに聞いたらすっきり整理できました」(次女・小林さん)

この事例から学べる3つのポイント

ポイント①:「一人暮らし×医療的ケアが必要」な高齢者ほど、ケアマネジャーの役割は大きい

透析治療のように週複数回の通院が必要な場合、スケジュール管理・送迎調整・緊急時対応など、多くの関係機関との連携が必要です。ケアマネジャーはその「司令塔」として機能します。

ポイント②:本人の「やりたいこと」を叶えることが、在宅生活の継続につながる

「入浴したい」「外食したい」「きれいにしてもらいたい」——こうした本人の気持ちに寄り添うことで、生活意欲が維持され、在宅での生活継続が可能になります。

ポイント③:施設への移行も、在宅サービスも、ケアマネジャーに相談することがスタート

「施設か在宅か」という二択ではなく、「今の状況で何ができるか」「どのタイミングで移行を考えるか」を一緒に整理してくれるのがケアマネジャーの存在です。

あなたの家族も同じ悩みを抱えていませんか?

この記事を読んで、「うちの親と似ている」と感じた方はいませんか?

  • 親が一人暮らしで、毎日の生活が心配
  • 医療的なケアが必要で、どこに頼めばいいかわからない
  • 施設に入れるべきか、在宅を続けるべきか迷っている
  • 介護保険のサービスをうまく使えていない気がする

こうした悩みは、ひとりで抱え込まないでください。「何から相談すればいいかわからない」という段階でも、ケアマネジャーは一緒に考えてくれます。

橋本さんのご家族も、最初は「介護のことは何もわからない」という状態でした。それでも、一つひとつの不安を専門家と一緒に整理していくことで、父親が笑顔で外食を楽しめる生活を取り戻すことができました。

まとめ|まず相談することが第一歩

今回の事例をまとめると、

  • 透析×一人暮らし×要介護5という複雑な状況でも、在宅生活は継続できる
  • 入浴・理美容・外出など「その人らしい生活」を支えることが大切
  • 施設入所の検討も含め、ケアマネジャーに相談することで選択肢が広がる

という3つのことが伝わったのではないでしょうか。

やさしい手の居宅介護支援事業所に、まず相談してみませんか?

やさしい手では、訪問介護サービスと居宅介護支援(ケアマネジャーによるサポート)を一体的に提供しています。「介護保険を使いたいけれど、何からはじめればいいかわからない」「今のサービス内容を見直したい」「施設入所も含めて、将来のことを相談したい」そんな方のご相談を、経験豊富なケアマネジャーが丁寧にお聞きします。相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

無料相談・お問い合わせはこちら

※この記事は、実際の支援事例をもとに個人情報を完全に匿名化・再構成したものです。特定の個人・施設・医療機関を示すものではありません。